交代式とは何でしょうか?今回は2変数・3変数の交代式と因数分解の方法についてみてみましょう。
今回は交代式についてお勉強しよう!
交代式とは?
交代式(交代多項式、alternating polynomial)とはどの2つの変数を入れ替えても元の-1倍となる多項式のことです。
対称式との違い
対称式とは,どの2つの変数を入れ替えても元と変わらない多項式のことです。つまり、交代式は-1倍、対称式はそのままとなるものです。
詳しくはこの記事をご覧ください。
2変数交代式
2変数の多項式f(x,y)に対して
f(x,y)=-f(y,x)
が成り立つとき交代式という。
つまり、2変数の場合、xとyを入れ替えても、もとの多項式の-1倍となる多項式を交代式といいます。
2変数交代式の例
2変数交代式の例としては以下のものがあります。
- $$x-y$$
- $$x^{2}-y^{2}$$
- $$3x^{4}-3y^{4}$$
それぞれxとyを入れ替えても、もとの多項式の-1倍となるので交代式です。
2変数の交代式の因数
2変数交代式f(x,y)は x-y を因数に持ちます。
実際に因数分解をすると x-y を因数に持つことがわかります。
$$x^{2}-y^{2}=(x-y)(x+y)$$
3変数交代式
3変数の多項式f(x,y,z)に対して
f(x,y,z)=-f(x,z,y)=-f(y,x,z)=f(y,z,x)=f(z,x,y)=-f(z,y,x)
が成り立つとき交代式という。
つまり、3変数の場合、xとyとzのどの2つを入れ替えても、もとの多項式の-1倍となる多項式を交代式といいます。
3変数交代式の例
3変数交代式の例としては以下のものがあります。
$$x^{2}(y-z)+y^{2}(z-x)+z^{2}(x-z)$$
xとyとzのどの2つを入れ替えても、もとの多項式の-1倍となるので対称式です。
3変数の交代式の因数
3変数交代式f(x,y,z)は (x-y)(y-z)(z-x) を因数に持ちます。
実際に因数分解をすると (x-y)(y-z)(z-x) を因数に持つことがわかります。
$$x^{2}(y-z)+y^{2}(z-x)+z^{2}(x-z)$$
$$=-(x-y)(y-z)(z-x) $$
まとめ
交代式について以下のことを覚えておきましょう。
交代式と因数
- どの2つの変数を入れ替えても元の-1倍となる多項式を交代式という
- 2変数交代式f(x,y)は x-y を因数に持つ
- 3変数交代式f(x,y,z)は (x-y)(y-z)(z-x) を因数に持つ
今回は交代式についてお勉強したよ!