推理小説を書く際のルールとして「ヴァン・ダインの二十則」という用語があります。今回はヴァン・ダインの二十則について学習しましょう。
ヴァン・ダインの二十則についてお勉強しましょう!
目次
ヴァン・ダインの二十則とは?
ノヴァン・ダインの二十則はアメリカの推理小説作家であるヴァン・ダインが1928年に発表した推理小説を書く際のルールです。
ヴァン・ダインの二十則と同様の推理小説のルールとして「ノックスの十戒」も有名です。
ノックスの十戒についてはこちらの記事をご覧ください。
【推理小説】ノックスの十戒とは?
推理小説を書く際のルールとして「ノックスの十戒」という用語があります。今回はノックスの十戒について学習しましょう。 ノックスの十戒についてお勉強しましょう! …
ヴァン・ダインの二十則の内容
ヴァン・ダインの二十則の内容は次の通りです。
- 事件の謎を解く手がかりは、全て作中に明白に記述されていなくてはならない。
- 作中の人物が仕掛けるトリック以外に、作者が読者を騙すような記述をしてはいけない。
- 不必要なラブストーリーを登場させてはならない。
- 探偵や捜査員の一人が突然犯人に急変してはいけない。
- 論理的な推理によって犯人を決定しなければならない。偶然や暗号、動機のないのない自供によって事件を解決してはいけない。
- 探偵小説には、必ず探偵役が登場して、その人物の捜査と一貫した推理によって事件を解決しなければならない。
- 長編小説には死体を登場させてはならない。殺人より軽い犯罪では読者が興味を示さない。
- 占いや心霊術、読心術などで犯罪の真相が暴かれてはいけない。
- 探偵役は一人が望ましい。ひとつの事件に複数の探偵が協力し合って解決するのは推理の脈絡を分断するばかりでなく、読者に対して公平を欠く。
- 犯人は物語の中で重要な役を演ずる人物でなくてはならない。終盤で登場した人物が犯人では作者の無能を告白するようなものである。
- 端役の使用人等を犯人にするのは安易な解決策である。その程度の人物が犯す犯罪ならわざわざ本に書くほどの事はない。
- いくつ殺人事件があっても、真の犯人は一人でなければならない。ただし端役の共犯者がいてもよい。
- 冒険小説やスパイ小説なら構わないが、探偵小説では秘密結社やマフィアなどの組織に属する人物を犯人にしてはいけない。彼らは非合法な組織の保護を受けられるのでアンフェアである。
- 殺人の方法と、それを探偵する手段は合理的で、しかも科学的であること。空想科学的であってはいけない。例えば毒殺の場合なら、未知の毒物を使ってはいけない。
- 事件の真相を説く手がかりは、最後の章で探偵が犯人を指摘する前に、作者がスポーツマンシップと誠実さをもって、全て読者に提示しておかなければならない。
- 余計な情景描写や、脇道に逸れた文学的な饒舌は省くべきである。
- プロの犯罪者を犯人にするのは避けること。それらは警察が日ごろ取り扱う仕事である。真に魅力ある犯罪はアマチュアによって行われる。
- 事件の結末を事故死や自殺で片付けてはいけない。
- 犯罪の動機は個人的なものが良い。国際的な陰謀や政治的な動機はスパイ小説に属する。
- これらは既に使い古された次のような手法は避けるべきである。
・犯行現場に残されたタバコの吸殻と、容疑者が吸っているタバコを比べて犯人を決める方法
・インチキな降霊術で犯人を脅して自供させる
・指紋の偽造トリック
・替え玉によるアリバイ工作
・番犬が吠えなかったので犯人はその犬に馴染みのあるものだったとわかる
・双子の替え玉トリック
・皮下注射や即死する毒薬の使用
・警官が踏み込んだ後での密室殺人
・言葉の連想テストで犯人を指摘すること
・土壇場で探偵があっさり暗号を解読して、事件の謎を解く方法
まとめ
推理小説を書く際のルールとして「ヴァン・ダインの二十則」という用語があります。今回はヴァン・ダインの二十則について学習しました。
ヴァン・ダインの二十則についてお勉強したよ!