アジャイル開発は、複雑で不確実な環境でのソフトウェア開発において、迅速な成果物の提供やフィードバックの獲得を目的とする手法です。この手法には、独自の用語が多数存在しています。例えば、スプリント、プロダクトバックログ、スクラムチームなどがあります。この記事では、アジャイル開発における代表的な用語について、理解を深めていきましょう。
アジャイル開発の基本用語について学習しよう!
アジャイル開発の基本用語
スプリント(Sprint)
スプリント(Sprint)とは、一定期間内でソフトウェアの機能を開発・リリースするための単位です。スプリントは一般的に2週間から4週間程度の期間で設定されます。
スタンドアップミーティング(Stand-up Meeting)
スタンドアップミーティング(Stand-up Meeting)とは毎日の短いミーティングで、開発チーム全員が立ち上がって進捗状況を共有するために行います。デイリースクラムとも呼ばれます。
バックログ(Backlog)
バックログ(Backlog)とは開発する機能やタスクのリストです。優先順位が付けられ、スプリントごとに優先度の高い項目が選択されます。スクラムでは、プロダクト・バックログとスプリント・バックログが定義されています。
ストーリーポイント(Story Point)
ストーリーポイント(Story Point)とは開発する機能の複雑さを示す単位です。1〜10のスケールやフィボナッチ数列を設定することもあります。
リファクタリング(Refactoring)
リファクタリング(Refactoring)とはコードをより効率的にしたり、より保守可能にしたりするための技術的な改善作業です。
継続的インテグレーション(Continuous Integration)
継続的インテグレーション(Continuous Integration)とはコードの変更を頻繁に統合し、自動化されたビルドやテストを実行して、問題を早期に検出するための開発プロセスです。CIとも呼ばれます。
プロダクトオーナー(Product Owner)
プロダクトオーナー(Product Owner)とは開発チームと顧客の間の橋渡し役として、開発する製品や機能のビジョンを定義し、バックログの優先順位を決定します。
ペアプログラミング(Pair Programming)
ペアプログラミング(Pair Programming)とは2人の開発者が1つの画面で協力して、より高品質なコードを開発するための作業手法です。
テスト駆動開発(Test-driven Development)
テスト駆動開発(Test-driven Development)とはコードを書く前にテストを書き、そのテストに合格するコードを実装するためのプログラミング手法です。TDDとも呼ばれます。
スクラムに関する用語
スクラムは、アジャイル開発の一つの手法で、プロジェクトチームが共同で作業し、スプリントごとに一定の成果物を提供することを目的としています。スクラムには以下のような概念があります。
スクラムチーム(Scrum Team)
スクラムチーム(Scrum Team)とは開発を担当するチームで、開発者・プロダクトオーナー・スクラムマスターで構成されています。スクラムチームは、開発プロセスの進捗状況を管理し、目標を達成するために必要な決定を下します。
スクラムマスター(Scrum Master)
スクラムマスター(Scrum Master)とは開発チームがスクラムのルールやプロセスを適切に実行するように支援する役割をのことです。スクラムマスターは、スクラムを確立させ、スクラムチームの有効性に責任を持ちます。
プランニングポーカー(planning poker)
プランニングポーカー(planning poker)とは、アジャイル開発における見積もり技術の一つです。スプリントに必要なタスクの見積もりを行うために使用されます。
開発チームのメンバーは、プランニングポーカーのカードセット(通常は数値のみが記載されたカード)を使用して、それぞれがタスクの見積もりを行います。開発チームのメンバーは、タスクにかかる時間や複雑さ、リスクなどの要因を考慮して、自分が考える見積もりに対応するカードを選択します。
カードを選択した後、全員がカードを公開し、見積もりが異なる場合は、理由を説明し、議論を行い、再度見積もりを行うことができます。これを繰り返して、チーム全体が合意した見積もりを得ることが目的です。
プランニングポーカーは、開発チームの経験や知識を活かし、より正確な見積もりを行うことができるため、アジャイル開発において広く使用されています。
プロダクトバックログ(Product Backlog)
プロダクトバックログ(Product Backlog)とは顧客のニーズに基づいて、開発する製品や機能のリストを作成するためのツールです。プロダクトバックログは、重要度に基づいて優先順位が付けられ、スプリントごとにスプリントバックログとして機能のリストを選択します。
スプリントバックログ(Sprint Backlog)
スプリントバックログ(Sprint Backlog)とはスプリントに取り組むために必要なタスクのリストで、プロダクトバックログから選択します。スプリントバックログは、スプリント開始前にチームによって確認されます。
スプリントレビュー(Sprint Review)
スプリントレビュー(Sprint Review)とは、スプリントの終わりに、開発された機能や製品をレビューし、次のスプリントの計画を立てることです。
スプリントレトロスペクティブ(Sprint Retrospective)
スプリントレトロスペクティブ(Sprint Retrospective)とは、スプリントの終わりに、スクラムチームで評価を行い、プロセスを改善するためのアイデアを出し合うことです。ふりかえりとも呼ばれます。
インクリメント(Increment)
インクリメント(Increment)とは、スプリントの結果として作成されたプロダクトの一部であり、完了した機能のことです。
デイリースクラム(Daily Scrum)
デイリースクラム(Daily Scrum)とは、毎日の短いミーティングで、、昨日の進捗状況、今日の計画、および課題について話し合います。
バーンダウンチャート(Burn-Down Chart)
バーンダウンチャート(Burn-Down Chart)とは、スプリントの進捗状況を視覚的に表示するためのツールで、残りの作業量が時間の経過とともにどのように変化するかを示します。
まとめ
アジャイル開発は、複雑で不確実な環境でのソフトウェア開発において、迅速な成果物の提供やフィードバックの獲得を目的とする手法です。この記事では、アジャイル開発における代表的な用語について、理解を深めました。
アジャイル開発の基本用語について学習したよ!