公理的集合論とは?わかりやすく解説!

集合とは、ある条件を満たす要素の集まりのことを指します。例えば、全ての偶数や英単語の集まり、ある特定の条件を満たす人の集まりなどが集合の例です。集合論は、集合に関する基本的な考え方や概念を扱う学問分野であり、その中心的な概念である集合に関する公理が存在します。今回は公理的集合論についてわかりやすく解説します。

公理的集合論について学習しよう!

目次

公理的集合論とは?

集合の公理とは、集合論における基本的な原理や条件を表したものであり、集合の構成や性質を厳密に定義するために必要なものです。以下に、代表的な集合の公理を紹介します。

ツェルメロ=フレンケル公理系(ZF公理系)

ツェルメロ=フレンケル(Zermelo-Fraenkel)公理系(ZF公理系)は、集合論の公理系の一つです。

1.外延性公理(Axiom of Extensionality)

$$\forall A\, \forall B \,(\forall x \,(x\in A \Leftrightarrow x \in B)\Rightarrow A=B)$$

同じ要素からなる二つの集合は等しい。すなわち、集合Aと集合Bが全く同じ要素から成り立つ場合、A=Bである。

2.空集合の公理(Axiom of Empty Set)

$$\exists A \forall x(x \notin A)$$

空集合と呼ばれる、要素を持たない集合が存在する。

3.対の公理(Axiom of Pairing)

$$\forall a\, \forall b \, \exists A \, \forall (x \in A \Leftrightarrow ( x =a \lor x=b)$$

任意の要素aとbに対して、{a, b}という集合が存在する。

4.和集合の公理(Axiom of Union)

$$\forall \mathcal{F} \exists A \forall y (y \in A \Leftrightarrow \exists B (B \in \mathcal{F} \wedge y \in B))$$

任意の集合族 \(\mathcal{F}\) に対して、 \(\mathcal{F}\) に属するどの集合にも属するような要素を全て含む集合 \(A\) が存在する。

5.無限公理(Axiom of Infinity)

$$\exists A (\emptyset \in A \wedge \forall x (x \in A \rightarrow x \cup \{x\} \in A))$$

空集合を要素とし、任意の要素 x に対して x ∪ {x} を要素に持つ集合が存在する。この公理から無限集合が存在することが導かれる。

6.冪集合の公理(Axiom of Power Set)

ある集合Aの部分集合からなる集合が存在する。これをAの冪集合と呼び、P(A)と表記する。

7.置換公理(Axiom of Replacement)

ある写像fと集合Aに対して、ある集合Aの要素にfを適用した結果からなる集合が存在する。

8.正則性公理(Axiom of Regularity)

$$\forall A ((A \neq \emptyset ) \rightarrow \exists x (x \in A \wedge x \cap A = \emptyset ))$$

空でない集合は必ず自分自身と交わらない要素を持つ。

ZFC公理系

ZF公理系に選択公理(Axiom of Choice)を加えた公理系をZFC公理系(Zermelo-Fraenkel set-theory with the axiom of Choice)と呼びます。

選択公理(Axiom of Choice)

X が互いに交わらないような空でない集合の集合であるとき、X の各要素から一つずつ要素をとってきたような集合(選択集合)が存在する。

まとめ

集合の公理は、厳密な論理的基盤を提供するだけでなく、集合論に関する議論や証明においても重要な役割を果たします。また、集合の公理によって、集合の構造や性質をより深く理解することができます。

今回は公理的集合論について学習しました。

公理的集合論について学習したよ!

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