「五箇条の御誓文」とは、1868年に日本の新政府が発表した、明治新政府の基本的な政治方針をまとめた文書です。この文書は、新政府が明治維新を実施し、封建的な社会から近代的な国家へと変革を遂げる中で、政治理念を定めるために発表されました。この五箇条は、近代日本の基本理念に大きな影響を与えたとされています。この記事では、五箇条の御誓文について、その歴史的背景や内容、現代における意義について解説します。
「五箇条の御誓文」について学習しよう!
五箇条の御誓文とは?
五箇条の御誓文は「ごかじょうのごせいもん」と読みます。
まずは「五箇条の御誓文」の原文について見てみましょう。
「五箇条の御誓文」の原文
一 廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スヘシ
一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ經綸ヲ行フヘシ
一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
一 舊來ノ陋習ヲ破り天地ノ公道ニ基クヘシ
一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ
現代の口語に訳すと以下のようになります。
「五箇条の御誓文」の訳
廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スヘシ
(ひろくかいぎをおこし、ばんきこうろんにけっすべし)
多く会議を開き、どんなことでも話し合いで決めましょう。
上下心ヲ一ニシテ盛ニ經綸ヲ行フヘシ
(しょうかこころをいつにして、さかんにけいりんをおこなうべし)
身分の上下によらず、心をひとつにして、国の政治を盛んに行いましょう。
官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
(かんぶいっとしょみんにいたるまでおのおのそのこころざしをとげ、じんしんをしてうまざらしめんことをようす)
役人・武士・庶民も、それぞれが自分のこころざしを達成できるように、希望を失わないようにすることが大切です。
舊來ノ陋習ヲ破り天地ノ公道ニ基クヘシ
(きゅうらいのろうしゅうをやぶり、てんちのこうどうにもとづくべし)
これまでの悪い慣習をやめ、自然の道理に基づいて物事を行いましょう。
智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ
(ちしきをせかいにもとめ、おおいにこうきをしんきすべし)
知識を世界から学び入れ、天皇を中心に国を発展させましょう。
五箇条の御誓文の歴史
五箇条の御誓文は、1868年(慶応4年・明治元年)に明治新政府の基本的な政治方針をまとめた文書です。
五箇条の御誓文の内容は、由利公正(ゆりきみまさ)が起草し、木戸孝允(きどたかよし)が完成させました。
年号 | 出来事 |
---|---|
1867年(慶応3年)10月9日 | 大政奉還 |
1867年(慶応3年)12月9日 | 王政復古の大号令 |
1868年(明治元年)3月14日 | 五箇条の御誓文 |
まとめ
「五箇条の御誓文」とは、1868年に日本の新政府が発表した、明治新政府の基本的な政治方針をまとめた文書です。この文書は、新政府が明治維新を実施し、封建的な社会から近代的な国家へと変革を遂げる中で、政治理念を定めるために発表されました。この五箇条は、近代日本の基本理念に大きな影響を与えたとされています。この記事では、五箇条の御誓文について、その歴史的背景や内容、現代における意義について解説しました。
「五箇条の御誓文」について学習したよ!