数学の基本的な代数的構造の一つに群があります。
今回は、群の定義と具体例について学習しましょう!

今回は群について学習しよう!
この記事で学べる事
- 群の定義
- 単位元の定義と一意性
- 逆元の定義と一意性
- 群の具体例
群の定義
まずは群の定義をみてみましょう。
群の定義
集合 G とその上の二項演算 ・: G × G → G の組 (G, ・) が以下の3つの条件を満たすとき、組 (G, ・) を群(group)という。
1.(結合法則)任意の g, h, k ∈G に対して、 ( g・h )・k = g・( h・k ) が成り立つ。
2.(単位元の存在)任意の g ∈G に対して、g・e = e・g = g を 満たすような e ∈G が存在する。
3.(逆元の存在)任意の g ∈G に対して、g・h = h・g = e を 満たすような h ∈G が存在する。
単位元
群の定義2.を満たすeを単位元といいます。
また、単位元が存在すれば一意になります。
単位元が存在すれば一意である
単位元が存在すれば一意の証明
証明:組 (G, ・) を群、e, e’∈G を単位元とする。
このとき、e = e・e’ = e’ となる。(群の定義2.より)
よって、e = e’ なので単位元が存在すれば一意になる。
逆元
群の定義3.を満たす h を g の逆元といい g-1 と書きます。
また、逆元が存在すれば一意になります。
逆元が存在すれば一意である
逆元が存在すれば一意の証明
証明:組 (G, ・) を群、g ∈G 、g-1 ,g‘-1∈G を g の逆元、e ∈G を単位元とする。
このとき、g-1 = e・g-1 = ( g‘-1・g )・g-1 = g‘-1・(g ・g-1 ) = g‘-1・e = g‘-1
よって、g-1 = g‘-1 なので逆元が存在すれば一意になる。
群の具体例
自明群
G = {e} , ・: G × G → G を (e, e) → e で定義すると(G, ・)は群になる、この群を自明群(trivial group)または単位群という。
自明群の単位元、逆元はすべて e になります。
整数全体の集合
整数全体の集合 \(\mathbb{Z}\)と和(足し算)の組 (\(\mathbb{Z}\),+) は群である。
単位元は0、a の逆元は -a になります。
実数全体の集合
実数全体の集合 \(\mathbb{R}\)と和(足し算)の組 (\(\mathbb{R}\),+) は群である。
単位元は0、a の逆元は -a になります。
n次正則行列の集合
実数を成分に持つn次正則行列全体の集合 \(GL_{n}(\mathbb{R})\)と行列の乗法の組 (\(GL_{n}(\mathbb{R})\),・) は群である。
単位元は単位行列、逆元は逆行列になります。
群のまとめ
数学の基本的な代数的構造の一つに群があります。
今回は、群の定義と具体例について学習しました!
集合 G とその上の二項演算 ・: G × G → G の組 (G, ・) が以下の3つの条件を満たすとき、組 (G, ・) を群(group)という。
1.(結合法則)任意の g, h, k ∈G に対して、 ( g・h )・k = g・( h・k ) が成り立つ。
2.(単位元の存在)任意の g ∈G に対して、g・e = e・g = g を 満たすような e ∈G が存在する。
3.(逆元の存在)任意の g ∈G に対して、g・h = h・g = e を 満たすような h ∈G が存在する。

今回は群について学習したよ!