拡大体とは、与えられた体を部分集合として含むように構成された体のことを指します。拡大体は、数学の多くの分野で重要な役割を果たしており、特に代数学やガロア理論においては必須の概念となっています。
この記事では数学の拡大体についてわかりやすく説明します。
数学の拡大体について勉強しよう!
拡大体とは?
まずは定義について確認しましょう。
\(E\) が \(F\) の拡大体とは、ある体 \(F\) を部分集合として含む体 \(E\) で、部分集合としての構造が一致しているときを呼びます。
体 \(E\) が体 \(F\) の拡大体とは次を満たすときに言う。
・\(E \supset F\)
・\(E\) を \(F\) に制限したときの体としての構造が一致している。
\(E\) が \(F\) の拡大体の時、\(E\) / \(F\) と書きます。
また、\(F\) を\(E\)の部分体と呼びます。
拡大体の例
例えば、有理数体\(\mathbb{Q}\)を含む体\(\mathbb{Q}(\sqrt{2})=\{a+b\sqrt{2}\mid a,b\in\mathbb{Q}\}\)は、\(\mathbb{Q}\)の拡大体です。この場合、\(F=\mathbb{Q}\)とし、\(E=\mathbb{Q}(\sqrt{2})\)とします。\(\mathbb{Q}(\sqrt{2})\)は、有理数体\(\mathbb{Q}\)に\(\sqrt{2}\)という新たな元を追加して得られる体です。
拡大次数とは?
\(E\) が \(F\) の拡大体、 \(F\) は\(E\)の部分ベクトル空間とみることができます。すなわちベクトル空間としての次元を考えることができます。
拡大体 \(E\)/\(F\) に対して拡大次数とは,\(F\) を \(E\) のベクトル空間とみなした時の次元を指し、[ \(E\) : \(F\) ] で表す。
拡大次元の例
体\(\mathbb{Q}(\sqrt{2})=\{a+b\sqrt{2}\mid a,b\in\mathbb{Q}\}\)は、\(\mathbb{Q}\)の拡大体です。このとき、[ \(\mathbb{Q}(\sqrt{2})\) : \(\mathbb{Q}\) ] = 2 になります。
まとめ
拡大体とは、与えられた体を部分集合として含むように構成された体のことを指します。拡大体は、数学の多くの分野で重要な役割を果たしており、特に代数学やガロア理論においては必須の概念となっています。
体 \(E\) が体 \(F\) の拡大体とは次を満たすときに言う。
・\(E \supset F\)
・\(E\) を \(F\) に制限したときの体としての構造が一致している。
数学の拡大体について勉強したよ!