統計検定1級合格への勉強法 | おすすめ参考書9選

統計検定1級は、統計学の深い知識を求められる高度な資格です。この検定に合格することで、統計学の専門的な能力を証明し、キャリアにおいて大きなメリットをもたらすことでしょう。しかし、試験範囲は広範囲に及ぶため、適切な学習計画と参考書が不可欠です。

この記事では、統計検定1級の合格のための最適な勉強法とおすすめの参考書9選をご紹介します。

今回は統計検定1級の試験範囲と勉強法について確認しよう!

目次

統計検定1級の試験内容

統計検定1級の試験内容

  • 大学専門課程(3・4年次)のレベル
  • 統計数理」:90分(午前)/5問中3問選択
  • 「統計応用」:90分(午後)/5問中3問選択
  • 受験料:「統計数理」・「統計応用」各 6,000円

統計検定1級は「統計数理」「統計応用」の両方の試験の合格が必要です。

統計数理

90分で5問中3問を解答する試験になります。解答はすべて論述式で難易度が高い試験です。

統計応用

人文科学社会科学理工学医薬生物学の4つの分野があり、申込時点で1分野を選択します。
各分野5問出題、3問を回答する試験になります。解答はすべて論述式で難易度が高い試験です。

統計検定1級のここが難しい

試験範囲が広い

とにかく試験範囲が広いです。

「統計数理」の出題範囲

大項目小項目
確率と確率変数・事象と確率
・確率分布と母関数
・分布の特性値
・変数変換
・極限定理と確率分布の近似
種々の確率分布・離散型分布
・連続型分布
・標本分布
統計的推測
(推定)
・母集団と標本・統計量
・尤度と最尤推定
・各種推定法
・点推定量の性質
・モデル評価基準
・漸近的性質
・区間推定
統計的推測
(検定)
・検定の基礎
・検定法の導出
・正規分布に関する検定
・種々の検定法
データ解析法の考え方と各種分析手法・分散分析
・回帰分析
・分割表の解析
・ノンパラメトリック法
・不完全データ
・シミュレーション
・ベイズ法
「統計数理」の出題範囲

統計応用」の出題範囲

大項目小項目
共通項目・研究の種類
・標本調査法
・実験計画法
・重回帰分析
・各種多変量解析法
・確率過程
・時系列解析
人文科学分野・データの取得法
・データの集計
・多変量データ分析法
・潜在構造モデル
・テストの分析
社会科学分野・調査の企画と実施
・重回帰モデルとその周辺
・計量モデル分析
・時系列解析
・パネル分析
・経済指数
理工学分野・多変量解析法
・確率過程
・線形推測
・漸近理論
・品質管理
・実験計画
医薬生物学分野・研究の種類
・データ収集法
・処置効果
・効果の指標
・カテゴリカルデータ解析
・ノンパラメトリック法
・交絡の調整
・生存時間と繰り返し測定
・検査の性能評価
統計応用」の出題範囲

上記の分野から出題されます。

記述式

統計検定1級はすべて記述式です。「統計数理」・「統計応用」ともに、導出過程も記述しなければならないため、難易度は高いです。

統計検定1級合格に必要な学習時間

統計検定1級合格に必要な学習時間ですが、統計検定準1級レベルについてはほぼ完璧な状態で200時間以上は必要です。
統計検定準1級がぎりぎり合格の人だと300時間程度は見積もったほうがいいと思います。

学習レベル学習時間目安学習期間目安学習ステップ
統計検定準1級(大学基礎レベル)が合格レベル300時間程度毎日2時間で6か月程度STEP1から
統計検定準1級(大学基礎レベル)が完璧200時間程度毎日2時間で4か月程度STEP2から
大学専門課程の統計を習得済100時間程度毎日2時間で2か月程度STEP3から

統計検定準1級が合格点取れない場合は準1級レベルをやり直したほうが近道です。

統計検定1級学習法と学習ステップ

統計検定1級の学習ステップは以下のようになります。

STEP
統計検定準1級レベルのマスター

統計検定準1級が完璧の人はSTEP1は飛ばしてください。
統計検定準1級レベルの問題演習を行いましょう。
学習時間目安:100時間

STEP
大学専門課程の統計の学習

統計のテキストで統計検定1級の範囲を学習しましょう。
学習時間目安:100時間

STEP
過去問題集を解く

過去問題集を解きましょう。
学習時間目安:100時間

統計検定1級の合格のためのおすすめ参考書9冊

統計検定1級の合格のためのおすすめ参考書9冊を紹介します。
大学数学のテキストをお持ちの方はそちらを学習してもいいと思います。
その場合はSTEP3の過去問のみあった方が傾向の把握と対策ができます。

STEP1 統計検定準1級レベルのマスター

まずは統計検定準1級レベルをマスターしましょう。
3つのうちいずれかの問題集・参考書を完璧にしましょう。

統計学実践ワークブック

統計検定準1級対応のテキストです。統計的手法の基礎を学ぶことができます。

統計学実践ワークブック」の目次を確認するにはここをクリック!

1 事象と確率
2 確率分布と母関数
3 分布の特性値
4 変数変換
5 離散型分布
6 連続型分布と標本分布
7 極限定理,漸近理論
8 統計的推定の基礎
9 区間推定
10 検定の基礎と検定法の導出
11 正規分布に関する検定
12 一般の分布に関する検定法
13 ノンパラメトリック法
14 マルコフ連鎖
15 確率過程の基礎
16 重回帰分析
17 回帰診断法
18 質的回帰
19 回帰分析その他
20 分散分析と実験計画法
21 標本調査法
22 主成分分析
23 判別分析
24 クラスター分析
25 因子分析・グラフィカルモデル
26 その他の多変量解析手法
27 時系列解析
28 分割表
29 不完全データの統計処理
30 モデル選択
31 ベイズ法
32 シミュレーション

明解演習 数理統計

数理統計の演習書です。演習を通じて学びたい人におすすめです。

明解演習 数理統計」の目次を確認するにはここをクリック!

第1章 確率
1.1 順列 組合せ
1.2 確率とその性質
1.3 事象の独立性

第2章 確率分布
2.1 確率変数 確率分布
2.2 多次元分布
2.3 確率変数の函数の分布
2.4 平均 分散
2.5 積率母函数

第3章 基本確率分布
二項分布
ポアソン分布
負の二項分布
幾何分布
超幾何分布
多項分布
正規分布
t分布
指数分布
ガンマー分布
ワイブル分布
カイ2乗分布
一様分布
ベーター分布
F分布
コーシー分布

第4章 記述統計と標本分布
4.1 資料の整理
4.2 標本平均の分布
4.3 正規母集団からの標本
4.4 有限母集団からの標本

第5章 適合性・独立性の検定
5.1 統計的仮説の検定
5.2 適合性の検定
5.3 正規確率紙
5.4 独立性の検定

第6章 点推定
6.1 望ましい推定量
6.2 最尤推定量

第7章 母数の検定と区間推定
7.1 母分散の検定と推定
7.2 母平均の検定と推定
7.3 等平均仮説の検定
7.4 母比率の推定と検定
7.5 母相関係数の検定と推定

統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)

統計学の体系的な知識を学ぶことができる本です。

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統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)」の目次を確認するにはここをクリック!

第1章 統計学の基礎
第2章 1次元のデータ
第3章 2次元のデータ
第4章 確率
第5章 確率変数
第6章 確率分布
第7章 多次元の確率分布
第8章 大数の法則と中心極限定理
第9章 標本分布
第10章 正規分布からの標本
第11章 推定
第12章 仮説検定
第13章 回帰分析
統計数値表
練習問題の解答

STEP2 大学専門課程の統計の学習

日本統計学会公式認定 統計検定1級対応 統計学

日本統計学会の公認のテキストです。試験範囲を一通り知ることができるのでおすすめです。

日本統計学会公式認定 統計検定1級対応 統計学」の目次を確認するにはここをクリック!

第Ⅰ部 統計数理
第1章 確率と確率変数
第2章 種々の確率分布
第3章 統計的推定
第4章 仮説検定
第5章 主なデータ解析手法

第Ⅱ部 統計応用
第6章 統計応用共通手法
第7章 人文科学分野キーワード
第8章 社会科学分野キーワード
第9章 理工学分野キーワード
第10章 医学生物学分野キーワード

共通問題/解答
付録 練習問題の解答

現代数理統計学の基礎 (共立講座 数学の魅力)

統計数理の学習におすすめです。

現代数理統計学の基礎 (共立講座 数学の魅力)」の目次を確認するにはここをクリック!

第1章 確率
1.1 事象と確率
1.2 条件付き確率と事象の独立性
1.3 発展的事項
演習問題

第2章 確率分布と期待値
2.1 確率変数
2.2 確率関数と確率密度関数
2.3 期待値
2.4 確率母関数,積率母関数,特性関数
2.5 変数変換
演習問題

第3章 代表的な確率分布
3.1 離散確率分布
3.2 連続分布
3.3 発展的事項
演習問題

第4章 多次元確率変数の分布
4.1 同時確率分布と周辺分布
4.2 条件付き確率分布と独立性
4.3 変数変換
4.4 多次元確率分布
演習問題

第5章 標本分布とその近似
5.1 統計量と標本分布
5.2 正規母集団からの代表的な標本分布
5.3 確率変数と確率分布の収束
5.4 順序統計量
5.5 発展的事項
演習問題

第6章 統計的推定
6.1 統計的推測
6.2 点推定量の導出方法
6.3 推定量の評価
6.4 発展的事項
演習問題

第7章 統計的仮説検定
7.1 仮説検定の考え方
7.2 正規母集団に関する検定
7.3 検定統計量の導出方法
7.4 適合度検定
7.5 検定方式の評価
演習問題

第8章 統計的区間推定
8.1 信頼区間の考え方
8.2 信頼区間の構成方法
8.3 発展的事項
演習問題

第9章 線形回帰モデル
9.1 単回帰モデル
9.2 重回帰モデル
9.3 変数選択の規準
9.4 ロジスティック回帰モデルと一般化線形モデル
9.5 分散分析と変量効果モデル

第10章 リスク最適性の理論
10.1 リスク最適性の枠組み
10.2 最良不偏推定
10.3 最良共変(不変)推定
10.4 ベイズ推定
10.5 ミニマックス性と許容性の理論

第11章 計算統計学の方法
11.1 マルコフ連鎖モンテカルロ法
11.2 ブートストラップ
11.3 最尤推定値の計算法

第12章 発展的トピック:確率過程
12.1 ベルヌーイ過程とポアソン過程
12.2 ランダム・ウォーク
12.3 マルチンゲール
12.4 ブラウン運動
12.5 マルコフ連鎖

付録
A.1 微積分と行列演算
A.2 主な確率分布と特性値

人文・社会科学の統計学 (基礎統計学Ⅱ)

統計応用人文科学社会科学を選択する人におすすめです。

人文・社会科学の統計学 (基礎統計学Ⅱ)」の目次を確認するにはここをクリック!

第1章 統計学とデータ
第2章 データの分析
第3章 標本調査法
第4章 統計調査と経済統計
第5章 地域統計
第6章 経済分析における回帰分析
第7章 経済時系列データの分析
第8章 社会調査
第9章 社会移動データの分析手法
第10章 要因探究の方法
第11章 心理測定データの解析
第12章 テスト理論
第13章 心理・教育データのための統計的方法

自然科学の統計学 (基礎統計学Ⅲ)

統計応用理工学医薬生物学を選択する人におすすめです。

人文・社会科学の統計学 (基礎統計学Ⅱ)」の目次を確認するにはここをクリック!

第1章 確率の基礎
第2章 線形モデルと最小二乗法
第3章 実験データの分析
第4章 最尤法
第5章 適合度検定
第6章 検定と標本の大きさ
第7章 分布の仮定
第8章 質的データの統計的分析
第9章 ベイズ決定
第10章 確率過程の基礎
第11章 乱数の性質

STEP3 過去問題集を解く

統計検定の過去問題集です。解けなかった問題はよく復習をしましょう。
苦手な分野はSTEP2に戻って再度学習しましょう。

統計検定1級に関する質問と回答

統計検定1級の「統計数理」と「統計応用」は同時に合格する必要がありますか?

「統計数理」と「統計応用」の片方に合格した場合は、有効期間内にもう片方に合格すれば統計検定級を取得できます。 経過措置は9年(試験合格の有効期間10年間)です。

統計検定1級に電卓は使用できますか?

電卓1台を使用することができます。

【持ち込み可能な電卓】
四則演算(+-×÷)や百分率(%)、平方根(√)の計算ができる普通電卓(一般電卓)または事務用電卓

【持ち込み不可の電卓】
上記の電卓を超える計算機能を持つ金融電卓や関数電卓、プログラム電卓、グラフ電卓、電卓機能を持つ携帯端末

まとめ

統計検定1級は、統計学の深い知識を求められる高度な資格です。この検定に合格することで、統計学の専門的な能力を証明し、キャリアにおいて大きなメリットをもたらします。しかし、試験範囲は広範囲に及ぶため、適切な学習計画と参考書が不可欠です。

この記事では、統計検定1級の合格のための最適な勉強法とおすすめの参考書9選をご紹介しました。各参考書で計画的に学習を進め試験合格を目指しましょう。

今回は統計検定1級の試験範囲と勉強法について確認したよ!

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