【百人一首一覧】小倉百人一首を覚えよう!ふりがな・決まり字付き!

百人一首

百人一首を覚えるのは大変ですよね?句の覚え方にはコツがあるので、それをマスターしてしまえば、誰でも簡単に句を覚えることができます。百人一首をふりがなつきで簡単に覚えられます。

今回は小倉百人一首を覚えよう!!

目次

小倉百人一首とは?

百人一首の画像

百人一首とは、飛鳥時代から鎌倉時代にかけての代表的な歌人の和歌を、一人一首ずつ集めたものです。中でも最も有名なのが藤原定家(ふじわらのさだいえ/ていか)によって選ばれた小倉百人一首です。また、小倉百人一首は最古の秀歌撰(しゅうかせん・すぐれた和歌のこと)として知られています。
また「ちはやふる」といった競技かるたを描いた漫画でも話題になりましたね。今回は、小倉百人一首を紹介します。ぜひ覚えてみましょう。

覚え方が分かれば簡単!百人一首をマスターしよう!

古式ゆかしい百人一首。覚えていて、何かの拍子に口に出すことが出来たら、とても格好良いですよね。句の覚え方にはコツがあるので、それをマスターしてしまえば、誰でも簡単に句を覚えることができます。

一般的な覚え方は、まず決まり字を覚えることなんです!決まり字とは、上の句を何個か聞いただけで、下の句が特定できる文字のことです。例えば、「むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに」という上の句が出てきたとします。「む」から始まる句は、1首しかないので、すぐに下の句である「きりたちのほるあきのゆふくれ」が連想できるんです!

ちなみに、上の句1字で下の句が分かる、一字決まりの句は、たったの7首しかありません。その他にも、2字決まり、3字決まりという風に、覚える句を分類して覚えていけば、憧れの百人一首がすぐに覚えられてしまうんです。ぜひ一度試してみてくださいね。

百人一首覚え方のコツ

歌の背景を知る

和歌の背景や詠まれたシチュエーションを理解することで、記憶に残りやすくなります。百人一首は、恋愛や季節の移り変わりをテーマにした歌が多いです。

音読と暗唱

実際に声に出して読んでみることは非常に効果的です。百人一首は和歌(5・7・5・7・7の31文字)なのでリズムやメロディを感じながら読むことで、頭に入りやすくなります。

フラッシュカードの活用

和歌の上の句、下の句を表裏に書いたフラッシュカードを作成し、繰り返し復習します。通学時間やちょっとした休憩時間にも活用できます。

百人一首一覧

百人一首一覧をふりがな付きで紹介いたします。
決まり字は赤字で表示してます。

スクロールできます
歌番号ふりがな歌人
1あきのたの
かりほのいほの
とまをあらみ
わがころもでは
つゆにぬれつつ
秋の田の
かりほの庵の
とまをあらみ
我が衣手は
露にぬれつつ
天智天皇
2はるすぎて
なつきにけらし
しろたへの
ころもほすてふ
あまのかぐやま
春過ぎて
夏来にけらし
白妙の
衣干すてふ
天の香具山
持統天皇
3あしびきの
やまどりのをの
しだりをの
ながながしよを
ひとりかもねむ
あしびきの
山鳥の尾の
しだり尾の
ながながし夜を
ひとりかもねむ
柿本人麻呂
4たごのうらに
うちいでてみれば
しろたへの
ふじのたかねに
ゆきはふりつつ
田子の浦に
うち出てみれば
白妙の
富士のたかねに
雪は降りつつ
山部赤人
5おくやまに
もみぢふみわけ
なくしかの
こゑきくときぞ
あきはかなしき
奥山に
紅葉踏み分け
鳴く鹿の
声聞くときぞ
秋はかなしき
猿丸大夫
6かささぎの
わたせるはしに
おくしもの
しろきをみれば
よぞふけにける
かささぎの
渡せる橋に
おく霜の
白きを見れば
夜ぞ更けにける
中納言家持
7あまのはら
ふりさけみれば
かすがなる
みかさのやまに
いでしつきかも
天の原
ふりさけみれば
春日なる
三笠の山に
いでし月かも
安倍仲麿
8わがいほは
みやこのたつみ
しかぞすむ
よをうぢやまと
ひとはいふなり
我が庵は
都のたつみ
しかぞ住む
世をうぢ山と
人はいふなり
喜撰法師
9はなのいろは
うつりにけりな
いたづらに
わがみよにふる
ながめせしまに
花の色は
移りにけりな
いたづらに
我が身世にふる
ながめせしまに
小野小町
10これやこの
ゆくもかへるも
わかれては
しるもしらぬも
あふさかのせき
これやこの
行くも帰るも
別れては
知るも知らぬも
逢坂の関
蝉丸
11わたのはら
そしまかけて
こぎいでぬと
ひとにはつげよ
あまのつりぶね
和田の原
八十島かけて
漕ぎ出ぬと
人にはつげよ
あまのつりぶね
参議篁
12あまつかぜ
くものかよひぢ
ふきとぢよ
をとめのすがた
しばしとどめむ
あまつ風
雲の通ひ路
吹きとぢよ
乙女の姿
しばしとどめむ
僧正遍照
13つくばねの
みねよりおつる
みなのがは
こひぞつもりて
ふちとなりぬる
つくばねの
峰より落つる
みなの川
恋ぞつもりて
淵となりける
陽成院
14みちのくの
しのぶもぢずり
たれゆゑに
みだれそめにし
われならなくに
陸奥の
しのぶもぢずり
誰ゆゑに
乱れそめにし
我ならなくに
河原左大臣
15きみがため
るののにいでて
わかなつむ
わがころもでに
ゆきはふりつつ
君がため
春の野に出て
若菜つむ
我が衣手に
雪はふりつつ
光孝天皇
16たちわかれ
いなばのやまの
みねにおふる
まつとしきかば
いまかへりこむ
立ち別れ
いなばの山の
峰におふる
まつとしきかば
今帰りこむ
中納言行平
17ちはやぶる
かみよもきかず
たつたがは
からくれなゐに
みづくくるとは
ちはやぶる
神代もきかず
龍田川
からくれなゐに
水くぐるとは
在原業平朝臣
18みのえの
きしによるなみ
よるさへや
ゆめのかよひぢ
ひとめよくらむ
住の江の
岸による波
よるさへや
夢の通ひ路
人めよくらむ
藤原敏行朝臣
19なにはが
みじかきあしの
ふしのまも
あはでこのよを
すぐしてよとや
難波がた
短き葦の
ふしの間も
逢はでこの世を
過してよとや
伊勢
20わびぬれば
いまはたおなじ
なにはなる
みをつくしても
あはむとぞおもふ
わびぬれば
今はた同じ
難波なる
身をつくしても
逢はむとぞ思ふ
元良親王
21いまこむと
いひしばかりに
ながつきの
ありあけのつきを
まちいでつるかな
今こむと
いひしばかりに
長月の
有明の月を
待ちいでつるかな
素性法師
22くからに
あきのくさきの
しをるれば
むべやまかぜを
あらしといふらむ
吹くからに
秋の草木の
しほるれば
むべ山風を
嵐といふらむ
文屋康秀
23つきみれば
ちぢにものこそ
かなしけれ
わがみひとつの
あきにはあらねど
月みれば
千々に物こそ
悲しけれ
我が身ひとつの
秋にはあらねど
大江千里
24このたびは
ぬさもとりあへず
たむけやま
もみぢのにしき
かみのまにまに
このたびは
幣もとりあへず
手向山
紅葉の錦
神のまにまに
菅家
25なにしおはば
あふさかやまの
さねかづら
ひとにしられで
くるよしもがな
名にしおはば
逢坂山の
さねかづら
人に知られで
くるよしもがな
三条右大臣
26をぐらやま
みねのもみぢば
こころあらば
いまひとたびの
みゆきまたなむ
小倉山
峰の紅葉ば
心あらば
今ひとたびの
みゆきまたなむ
貞信公
27みかのはら
わきてながるる
いづみがは
いつみきとてか
こひしかるらむ
みかの原
わきて流るる
泉河
いつ見きとてか
恋しかるらむ
中納言兼輔
28やまざとは
ふゆぞさびしさ
まさりける
ひとめもくさも
かれぬとおもへば
山里は
冬ぞ寂しさ
まさりける
人めも草も
かれぬと思へば
源宗于朝臣
29こころあてに
をらばやをらむ
はつしもの
おきまどはせる
しらぎくのはな
心あてに
折らばや折らむ
初霜の
おきまどはせる
白菊の花
凡河内躬恒
30ありあけの
つれなくみえし
わかれより
あかつきばかり
うきものはなし
有明の
つれなく見えし
別れより
暁ばかり
うきものはなし
壬生忠岑
31あさぼらけ
りあけのつきと
みるまでに
よしののさとに
ふれるしらゆき
朝ぼらけ
有明の月と
見るまでに
吉野の里に
降れる白雪
坂上是則
32やまがはに
かぜのかけたる
しがらみは
ながれもあへぬ
もみぢなりけり
山川に
風のかけたる
しがらみは
流れもあへぬ
紅葉なりけり
春道列樹
33ひさかたの
ひかりのどけき
はるのひに
しづごころなく
はなのちるらむ
ひさかたの
光のどけき
春の日に
しづ心なく
花の散るらむ
紀友則
34たれをかも
しるひとにせむ
たかさごの
まつもむかしの
ともならなくに
誰をかも
知る人にせむ
高砂の
松も昔の
友ならなくに
藤原興風
35ひとはいさ
こころもしらず
ふるさとは
はなぞむかしの
かににほひける
人はいさ
心も知らず
故郷は
花ぞ昔の
かに匂ひける
紀貫之
36なつのよは
まだよひながら
あけぬるを
くものいづこに
つきやどるらむ
夏の夜は
まだ宵ながら
明けぬるを
雲のいづこに
月宿るらむ
清原深養父
37しらつゆに
かぜのふきしく
あきののは
つらぬきとめぬ
たまぞちりける
白露に
風の吹きしく
秋の野は
つらぬきとめぬ
玉ぞ散りける
文屋朝康
38わすらるる
みをばおもはず
ちかひてし
ひとのいのちの
をしくもあるかな
忘らるる
身をば思はず
誓ひてし
人の命の
惜しくもあるかな
右近
39あさぢふの
をののしのはら
しのぶれど
あまりてなどか
ひとのこひしき
浅茅生の
小野の篠原
忍ぶれど
あまりてなどか
人の恋しき
参議等
40しのぶれど
いろにいでにけり
わがこひは
ものやおもふと
ひとのとふまで
忍ぶれど
色に出にけり
わが恋は
物や思ふと
人の問ふまで
平兼盛
41こひすてふ
わがなはまだき
たちにけり
ひとしれずこそ
おもひそめしか
恋すてふ
我が名はまだき
立ちにけり
人知れずこそ
思ひ初めしか
壬生忠見
42ちぎりき
かたみにそでを
しぼりつつ
すゑのまつやま
なみこさじとは
契りきな
かたみに袖を
しぼりつつ
末の松山
波こさじとは
清原元輔
43あひみての
のちのこころに
くらぶれば
むかしはものを
おもはざりけり
あひ見ての
後の心に
くらぶれば
昔は物も
思はざりけり
権中納言敦忠
44あふことの
たえてしなくは
なかなかに
ひとをもみをも
うらみざらまし
逢ふ事の
絶えてしなくは
中々に
人をも身をも
恨みざらまし
中納言朝忠
45あはれとも
いふべきひとは
おもほえで
みのいたづらに
なりぬべきかな
あはれとも
いふべき人は
思ほえで
身のいたづらに
なりぬべきかな
謙徳公
46ゆらのとを
わたるふなびと
かぢをたえ
ゆくへもしらぬ
こひのみちかな
由良の戸を
渡る舟人
かぢを絶え
行くへも知らぬ
恋の道かな
曾禰好忠
47やへむぐら
しげれるやどの
さびしきに
ひとこそみえね
あきはきにけり
八重葎
しげれる宿の
寂しきに
人こそ見えね
秋は来にけり
恵慶法師
48かぜをいたみ
いはうつなみの
おのれのみ
くだけてものを
おもふころかな
風をいたみ
岩うつ波の
をのれのみ
くだけて物を
思ふころかな
源重之
49みかきもり
ゑじのたくひの
よるはもえ
ひるはきえつつ
ものをこそおもへ
みかきもり
衛士のたく火の
夜は燃え
昼は消えつつ
物をこそ思へ
大中臣能宣
50きみがため
しからざりし
いのちさへ
ながくもがなと
おもひけるかな
君がため
惜しからざりし
命さへ
長くもがなと
思ひぬるかな
藤原義孝
51かくとだに
えやはいぶきの
さしもぐさ
さしもしらじな
もゆるおもひを
かくとだに
えやはいぶきの
さしも草
さしも知らじな
燃ゆる思ひを
藤原実方朝臣
52あけぬれば
くるるものとは
しりながら
なほうらめしき
あさぼらけかな
明けぬれば
くるるものとは
知りながら
なほうらめしき
朝ぼらけかな
藤原道信朝臣
53なげきつつ
ひとりぬるよの
あくるまは
いかにひさしき
ものとかはしる
嘆きつつ
ひとりぬる夜の
明くるま
いかに久しき
ものとかはしる
右大将道綱母
54わすれじの
ゆくすゑまでは
かたければ
けふをかぎりの
いのちともがな
わすれじの
行末までは
かたければ
けふをかぎりの
命ともがな
儀同三司母
55たきのおとは
たえてひさしく
なりぬれど
なこそながれて
なほきこえけれ
滝の音は
絶えて久しく
なりぬれど
名こそ流れて
なほ聞こえけれ
大納言公任
56あらざらむ
このよのほかの
おもひでに
いまひとたびの
あふこともがな
あらざらむ
この世のほかの
思ひ出に
今ひとたびの
逢ふ事もがな
和泉式部
57ぐりあひて
みしやそれとも
わかぬまに
くもがくれにし
よはのつきかな
めぐり逢ひて
見しやそれとも
わかぬまに
雲がくれにし
夜半の月かな
紫式部
58ありまやま
ゐなのささはら
かぜふけば
いでそよひとを
わすれやはする
有馬山
いなのささ原
風吹けば
いでそよ人を
忘れやはする
大弐三位
59やすらはで
ねなましものを
さよふけて
かたぶくまでの
つきをみしかな
やすらはで
ねなまし物を
さよ更けて
かたぶくまでの
月を見しかな
赤染衛門
60おほえやま
いくののみちの
とほければ
まだふみもみず
あまのはしだて
大江山
いくのの道の
遠ければ
まだふみもみず
天の橋立
小式部内侍
61いにしへの
ならのみやこの
やへざくら
けふここのへに
にほひぬるかな
いにしへの
奈良の都の
八重桜
けふ九重に
匂ひぬるかな
伊勢大輔
62よをこめて
とりのそらねは
はかるとも
よにあふさかの
せきはゆるさじ
夜をこめて
鳥の空音は
はかるとも
よに逢坂の
関はゆるさじ
清少納言
63いまはただ
おもひたえなむ
とばかりを
ひとづてならで
いふよしもがな
今はただ
思ひ絶えなむ
とばかりを
人づてならで
いふよしもがな
左京大夫道雅
64あさぼらけ
ぢのかはぎり
たえだえに
あらはれわたる
せぜのあじろぎ
朝ぼらけ
宇治の川ぎり
絶えだえに
あらはれわたる
瀬々の網代木
権中納言定頼
65うらみわび
ほさぬそでだに
あるものを
こひにくちなむ
なこそをしけれ
恨みわび
ほさぬ袖だに
ある物を
恋にくちなむ
名こそ惜しけれ
相模
66もろともに
あはれとおもへ
やまざくら
はなよりほかに
しるひともなし
もろともに
あはれと思へ
山桜
花よりほかに
知る人もなし
前大僧正行尊
67はるのよの
ゆめばかりなる
たまくらに
かひなくたたむ
なこそをしけれ
春の夜の
夢ばかりなる
手枕に
かひなくたたむ
名こそ惜しけれ
周防内侍
68こころに
あらでうきよに
ながらへば
こひしかるべき
よはのつきかな
心にも
あらでうき世にに
ながらへば
恋しかるべき
夜半の月かな
三条院
69あらしふく
みむろのやまの
もみぢばは
たつたのかはの
にしきなりけり
嵐吹く
三室の山の
紅葉ばは
龍田の川の
錦なりけり
能因法師
70びしさに
やどをたちいでて
ながむれば
いづこもおなじ
あきのゆふぐれ
寂しさに
宿を立ち出て
ながむれば
いづこも同じ
秋の夕暮れ
良暹法師
71ゆふされば
かどたのいなば
おとづれて
あしのまろやに
あきかぜぞふく
夕されば
門田の稲葉
おとづれて
あしのまろやに
秋風ぞ吹く
大納言経信
72おとにきく
たかしのはまの
あだなみは
かけじやそでの
ぬれもこそすれ
音に聞く
たかしの浜の
あだ波は
かけじや袖の
ぬれもこそすれ
祐子内親王家紀伊
73たかさごの
をのへのさくら
さきにけり
とやまのかすみ
たたずもあらなむ
高砂の
尾上の桜
咲きにけり
とやまの霞
たたずもあらなむ
権中納言匡房
74うかりける
ひとをはつせの
やまおろしよ
はげしかれとは
いのらぬものを
うかりける
人をはつせの
山おろし
はげしかれとは
祈らぬものを
源俊頼朝臣
75ちぎりおきし
させもがつゆを
いのちにて
あはれことしの
あきもいぬめり
契りおきし
させもが露を
命にて
あはれことしの
秋もいぬめり
藤原基俊
76わたのはら
ぎいでてみれば
ひさかたの
くもゐにまがふ
おきつしらなみ
和田の原
漕ぎ出てみれば
ひさかたの
雲ゐにまがふ
沖つ白波
法性寺入道
前関白太政大臣
77をはやみ
いはにせかるる
たきがはの
われてもすゑに
あはむとぞおもふ
瀬をはやみ
岩にせかるる
滝川の
われてもすゑに
逢はむとぞ思ふ
崇徳院
78あはぢしま
かよふちどりの
なくこゑに
いくよねざめぬ
すまのせきもり
淡路島
かよふ千鳥の
鳴く声に
いく夜ねざめぬ
須磨の関守
源兼昌
79あきかぜに
たなびくくもの
たえまより
もれいづるつきの
かげのさやけさ
秋風に
たなびく雲の
絶え間より
もれいづる月の
かげのさやけさ
左京大夫顕輔
80ながからむ
こころもしらず
くろかみの
みだれてけさは
ものをこそおもへ
長からむ
心も知らず
黒髪の
乱れてけさは
物をこそ思へ
待賢門院堀河
81ととぎす
なきつるかたを
ながむれば
ただありあけの
つきぞのこれる
ほととぎす
鳴きつるかたを
ながむれば
ただ有明の
月ぞ残れる
後徳大寺左大臣
82おもひわび
さてもいのちは
あるものを
うきにたへぬは
なみだなりけり
思ひわび
さても命は
ある物を
うきにたへぬは
涙なりけり
道因法師
83よのなかよ
みちこそなけれ
おもひいる
やまのおくにも
しかぞなくなる
世の中よ
道こそなけれ
思ひ入る
山の奥にも
鹿ぞ鳴くなる
皇太后宮大夫俊成
84ながらへば
またこのごろや
しのばれむ
うしとみしよぞ
いまはこひしき
ながらへば
またこのごろや
しのばれむ
うしと見し世ぞ
いまは恋しき
藤原清輔朝臣
85よもすがら
ものおもふころは
あけやらで
ねやのひまさへ
つれなかりけり
よもすがら
物思ふころは
明けやらぬ
閨のひまさへ
つれなかりけり
俊恵法師
86なげけとて
つきやはものを
おもはする
かこちがほなる
わがなみだかな
嘆けとて
月やは物を
思はする
かこちがほなる
我が涙かな
西行法師
87らさめの
つゆもまだひぬ
まきのはに
きりたちのぼる
あきのゆふぐれ
村雨の
露もまだひぬ
まきの葉に
霧立ちのぼる
秋の夕暮れ
寂蓮法師
88なにはえ
あしのかりねの
ひとよゆゑ
みをつくしてや
こひわたるべき
難波江の
葦のかりねの
ひとよゆゑ
身をつくしてや
恋わたるべき
皇嘉門院別当
89たまのをよ
たえなばたえね
ながらへば
しのぶることの
よわりもぞする
玉の緒よ
絶えなば絶えね
ながらへば
忍ぶることの
よわりもぞする
式子内親王
90みせばやな
をじまのあまの
そでだにも
ぬれにぞぬれし
いろはかはらず
見せばやな
雄島のあまの
袖だにも
ぬれにぞぬれし
色はかはらず
殷富門院大輔
91きりぎりす
なくやしもよの
さむしろに
ころもかたしき
ひとりかもねむ
きりぎりす
鳴くや霜夜の
さむしろに
衣かたしき
ひとりかもねむ
後京極摂政前太政大臣
92わがそでは
しほひにみえぬ
おきのいしの
ひとこそしらね
かわくまもなし
我が袖は
しほひに見えぬ
沖の石の
人こそしらね
かわくまもなし
二条院讃岐
93よのなかは
つねにもがもな
なぎさこぐ
あまのをぶねの
つなでかなしも
世の中は
常にもがもな
なぎさ漕ぐ
あまのをぶねの
綱手かなしも
鎌倉右大臣
94みよしのの
やまのあきかぜ
さよふけて
ふるさとさむく
ころもうつなり
み吉野の
山の秋風
さよ更けて
故郷寒く
衣うつなり
参議雅経
95おほけなく
うきよのたみに
おほふかな
わがたつそまに
すみぞめのそで
おほけなく
うき世の民に
おほふかな
我が立つ杣に
墨染めの袖
前大僧正慈円
96はなさそふ
あらしのにはの
ゆきならで
ふりゆくものは
わがみなりけり
花さそふ
嵐の庭の
雪ならで
ふり行くものは
我が身なりけり
入道前太政大臣
97こぬひとを
まつほのうらの
ゆふなぎに
やくやもしほの
みもこがれつつ
こぬ人を
まつほの浦の
夕なぎに
焼くやもしほの
身もこがれつつ
権中納言定家
98かぜそよぐ
ならのをがはの
ゆふぐれは
みそぎぞなつの
しるしなりける
風そよぐ
ならの小川の
夕暮れは
みそぎぞ夏の
しるしなりける
従二位家隆
99ひともをし
ひともうらめし
あぢきなく
よをおもふゆゑに
ものおもふみは
人もをし
人も恨めし
あぢきなく
世を思ふゆゑに
物思ふ身は
後鳥羽院
100ももしきや
ふるきのきばの
しのぶにも
なほあまりある
むかしなりけり
百敷や
古き軒端の
しのぶにも
なほあまりある
昔なりけり
順徳院

まとめ

今回は藤原定家が選んだ小倉百人一首を紹介しました。好きな和歌は見つかりましたか?ぜひ覚えてみましょう。

今回は小倉百人一首をマスターしたよ!!

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