今回は多項式を割ったときの余りに関する定理である剰余の定理の証明方法を解説します。また、剰余の定理の具体的な使用方法と例をご紹介します。
今回は剰余の定理の証明と使用方法についてお勉強しよう!
剰余の定理とは?
剰余の定理(じょうよのていり、Remainder theorem)は多項式を割ったときの余りに関する定理です。テストや入試によく出るのでマスターしたいですね。
多項式 P(x)を(x−a)で割ったときの余りはP(a)になる。
この定理を剰余の定理という。
剰余の定理の使用例
剰余の定理を実際に使ってみましょう。
例題
$$x^{3}+2x^{2}-3x+4$$
をx-1で割った余りを求めよ。
解答
$$P(x)=x^{3}+2x^{2}-3x+4$$
a=1として剰余の定理を用います。
つまり、P(x)を(x-1)で割ったときの余りはP(1)であるので、
$$P(1)=1+2-3+4=4$$
よって余りは4となります。
剰余の定理の証明
次に剰余の定理の証明方法をみてみましょう。ポイントは多項式を割ったときの、商と余りを考えることです。
証明
多項式 P(x)を(x−a)で割ったときの商をQ(x)、余りをRとおく。
※(x-a)は1次式であるので余りRは定数であることに注意
この時
$$P(x)=(x−a)Q(x)+R$$なので、x=a を代入すると、P(a)=Rとなる。
したがって剰余の定理『多項式 P(x)を(x−a)で割ったときの余りはP(a)になる。』が証明できた。
(ax+b)で割ったときの余り
(ax+b)で割ったときの余りは次のようになります。
多項式 P(x)を(ax+b)で割ったときの余りはP(-a/b)になる。
例題
$$x^{3}+2x^{2}-3x+4$$
を2x-1で割った余りを求めよ。
解答
$$P(x)=x^{3}+2x^{2}-3x+4$$a=2,b=-1として剰余の定理を用います。
つまり、P(x)を(2x-1)で割ったときの余りはP(1/2)であるので、
$$P(1/2)=1/8+1/2-3/2+4=25/8$$よって余りは25/8となります。
まとめ
今回は剰余の定理についてお勉強しました。剰余の定理について以下のことを覚えておきましょう。
剰余の定理
- 多項式 P(x)を(x−a)で割ったときの余りはP(a)になる
- 多項式 P(x)を(ax+b)で割ったときの余りはP(-a/b)になる
今回は剰余の定理の証明と使用方法についてお勉強したよ!